コロナ禍で初めて迎えた受験シーズン。
コロナ禍で受験生も減って、難易度は下がるのかしら?
そんな疑問をお持ちの方も多かったのではないでしょうか?
その結果が、最難関男子校の1つ、灘中学校の受験状況から見えてきました!!
灘中合格発表に見る、コロナ禍の受験傾向
関東より一歩先に、関西の中学受験は山場を超え、灘中も1月19日に合格発表が行われました。
結果はこちら。
合格者数 / 受験者数 (実質倍率)
去年 256人 / 762 (2.98倍)
今年 227人 / 650 (2.86倍) 受験者数は1割減るも、合格者も減少!!
灘中学のウェブサイトに詳しいデータが掲載されています。
灘中学・高校は、全国の難関校で唯一といっていいほど、合格者に関する詳細な情報を公表しています。
合格最高点や最低点に加え、県別の志願者数や合格者数なども発表しているのです。
受験者数は去年-112人と、大幅に減りましたが、合格者数も減っています。
灘中学は、ここ数年、定員+60〜70人の合格者を出していましたから、合格者は大きく減少した形です。
こちらの表をご覧ください。
2020年 | 2021年 | |||||||
灘中学校 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率(%) | 志願者数 | 増加数 | 合格者数 | 増加数 | 合格率(%) |
東京都 | 134 | 38 | 28.36 | 85 | (▲49) | 39 | (1) | 45.88 |
神奈川県 | 50 | 9 | 18.00 | 23 | (▲27) | 8 | (▲1) | 34.78 |
千葉県 | 6 | 3 | 50.00 | 4 | (▲2) | 0 | (▲3) | 0.00 |
埼玉県 | 25 | 7 | 28.00 | 14 | (▲11) | 2 | (▲5) | 14.29 |
関東1都県合計 | 215 | 57 | 26.51 | 126 | (▲89) | 49 | (▲8) | 38.89 |
京都府 | 52 | 23 | 44.23 | 36 | (▲16) | 15 | (▲8) | 41.67 |
奈良県 | 24 | 8 | 33.33 | 27 | (3) | 9 | (1) | 33.33 |
大阪府 | 159 | 63 | 39.62 | 135 | (▲24) | 59 | (▲4) | 43.70 |
兵庫県 | 150 | 50 | 33.33 | 185 | (35) | 69 | (19) | 37.30 |
関西2府2県合計 | 385 | 144 | 37.40 | 383 | (▲2) | 152 | (8) | 39.69 |
全国合計 | 775 | 256 | 33.03 | 687 | (▲88) | 227 | (▲29) | 33.04 |
灘中のウェブサイトでまとめられているのは、ことしの受験状況のデータですが、独自に関東1都3県と関西2府2県の受験者の情報を去年と比較して、前年比の増減数をまとめてみました(▲はマイナス)。
ここから何がわかるでしょうか?
・関西の受験生の数は変わらない(大阪は減少)
・関東の受験生の合格率が上がっている
灘中学は、都内の中学入試と日程が重ならないこともあり、関東からも多くの小学生が受験しています。
しかし、今年はコロナ禍で関東からの受験者は大幅に減少しています。
関西全体では変化は見られませんが、兵庫県内が増加した一方で、大阪府は減少が見られます。灘中の結果だけでは判断できませんが、コロナ禍にあって、「地元志向」が高まっている可能性はあります。
そして、もう1点注目は合格率です。
去年の合格率を、地元の受験生と比較して合格率は低い傾向にありました。
灘中学を受験する小学生の多くは、開成や筑駒、もしくは麻布などを目指して勉強をしているため、関西の受験生に比べて灘中対策に力を入れていないこともありますが、記念受験組も多く、関西の受験生と比べると本気度に違いが出ていました。
しかし、ことしはコロナ禍で、記念受験組は大きく減少したため、結果として比較的実力の高い生徒に受験が限定され、合格率もあがったと推測されます。
つまり、本気の受験生の割合が高まり、ガチの戦いとなった ということです。
関東の受験傾向は変わるのか?
1月に先行してスタートする埼玉・千葉に続いて、2月1日には、いよいよ東京・神奈川の中学入試が解禁されます。
関東の中学校の出願状況は、各塾が公表しています。
コロナ禍で受験者数が減るのでは???
こんな記事もありますね。
マスコミには「難関校受験控えも」なんて文字も踊ったりするわけですが、残念ながら、実際に難易度が下がるということはありません。
たしかに、この記事にあるように、県外の、いわゆる「試し受験」を控える傾向は、関東でも出ているようです。
ただ、各種マスコミの報道からも、コロナ禍にあっても収入が減少したのは、一部の業種に限られているのが実態で、経済的な事情で中学受験を断念した家庭というのは限定的です。ましてや、記念受験組や試し受験が減少したところで、本命の受験生にとっての難易度に変わりはありません。
もちろん、withコロナの時代がまだ続くと推測される中、来年、再来年に向けて、中学受験者数の減少、高校受験でも公立志向の高まりといった影響が出てくる可能性はあります。
関東の緊急事態宣言は、2月7日までですから、関東の中学受験も宣言下で行われることになります。それに続く高校入試も厳しい状況が想定されます。冬本番ですから、コロナがなくても健康には気をつけなくてはいけない時期ですね。
結論
コロナ禍にあっても、受験の難易度が変わることはありません。やることは変わりません。
とはいえ、学校の休校などで夏期講習など受験勉強への影響も大きかったため、リズムを崩さず、しっかり管理して勉強を続けてきた受験生にとっては、悪くない年のはずです。
この時期、ネット記事や新聞などに倍率が掲載され、それはそれで気になるのですが、そんなことを気にしても仕方がありません。
とにかく健康には気をつけて、ラストスパートを親子で乗り切ってください!!
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