コアプラス・メモリーチェック・四科のまとめ 難関校対策にはどれを使う?

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中学受験
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難関校対策にはサピックスのコアプラス、日能研のメモリーチェック、四谷大塚の四科のまとめ、どれが最も適しているのか?
いずれも中学受験の理科・社会の知識の総仕上げに多くの受験生が活用している教材です。
それぞれ社会のテキストの使い勝手やレベルを比較し、いつからどのように使えばいいのか解説します。

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コアプラス・メモリーチェック・四科のまとめとは?

コアプラス

コアプラスは、SAPIX小学部が発行する知識の定着を図るためのテキストです。
社会コアプラスの冒頭には、次のように記されています。

「コアプラス」は、中学入試・社会で出題される重要事項の中から、「核」となる知識を厳選し、まとめた問題集です。本書を用いれば、入試問題を解くために必要な不可欠な知識を、効率よく身につけることができます。

地理・歴史・公民の3分野を網羅し、一問一答形式形式です。
サピックス小学部では、原則、毎週授業で配布される非売品のオリジナル教材が使われますが、理科と社会においては合わせて、市販のコアプラスが小テストなどで活用されています。
合格体験記で男女御三家の合格者が「最後はコアプラスをやった」とその重要性を振り返るなど、サピックス生にとっても必携の書となっています。

メモリーチェック

コアプラス同様に市販されている同種の教材に、日能研の発行するメモリーチェック(通称メモチェ)があります。
その冒頭には次のように記されています。

本書は、中学受験の指導で絶対の信頼を誇る日能研がそのノウハウと問題研究の膨大なデータを生かして、中学受験を目指す小学生の皆さんの最後の総仕上げとして活用していただくために構成したものです。

コアプラスと比較されることの多い教材ですが、その形式は少し異なります。左右見開きで1テーマとなっており、左に「要点のまとめ」、右に「ポイント・チェック問題」という穴埋め形式の問題が掲載されています。日能研も、授業ではオリジナルの「本科教室」を使用しますが、このメモリーチェックは市販され、書店で購入することが可能です。

四科のまとめ

https://www.amazon.co.jp/dp/489707407X?tag=lepetitroya0b-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

最後に四科のまとめは、四谷大塚が発行しています。

「四科のまとめ・社会」は、これまでの学習内容を地理・歴史・政治・その他の分野に分け、中学入試に必要な内容をさまざまな観点からまとめたものです。重要なところは、空欄にして確認する形式にしました。「予習シリーズ」とはちがったまとめ方で、効果的に学力の定着をはかることができます。

冒頭にこう記されているとおり、予習シリーズで一通りの学習を終えた6年生の夏休み以降の活用が想定されています。書店では販売されていませんが、四谷大塚の校舎やウェブサイトで誰でも直接購入することが可能です。メモリーチェック同様に左右見開きで、左ページは穴埋め式の要点まとめ、右ページが一問一答の要点チェックという形式です。

では、それぞれどういった特徴があるのか、比較していきます!

コアプラスは細切れの時間にも。メモリーチェック・四科のまとめは机に向かって

一問一答か穴埋め問題か

まず、3冊を比較したとき、一問一答形式をとるのは、コアプラスと四科のまとめです。
コアプラスは、同じページの左側に問題が黒字で、右側に解答が赤字で掲載された、完全な一問一答問題集です。
大学受験でもよく使用される「赤シート」が付属していて、シートで答えを隠しながら使用することができます。

また、四科のまとめの右側は一問一答形式で、コアプラスと似た使用方法が可能です。
ただし、四科のまとめがコアプラスと決定的に異なるのは、解答が同一冊子の巻末に掲載されていることです。あくまで机に向かって一問一問書き取りながら学習することを想定しています。

一方、メモリーチェックは前述のとおり、穴埋めの出題形式をとり、解答は別冊となっています。四科のまとめ同様の使用方法を想定しています。

細切れの時間を使って、少しでも知識の補強をしたり、試験直前に電車や会場で、知識を確認したりするという使い方ができるのは、コアプラスのみです。

コアプラスの欠点といえば、同じページに答えが載っているがゆえに、使い方によってはすぐ答えが目に入ってしまい、知識の確認が正しく行えないことです。
この点、しっかり知識の定着を確認したい時は答えを隠してコピーをとって使用するなど、何らかの対策は必要になります。

同様に、メモリーチェックも左側に答えが載っているため、問題を解きながら、どうしても答えが目に入ってしまいますので使い方には注意が必要です。

B5サイズかA4サイズか 携帯性も異なる

知識のまとめ用教材では、その携帯性も重要ですが、3つのテキストはサイズも異なります。

冊子のページ数は、コアプラスが約180ページ、メモリーチェックが約200ページ、四科のまとめは約230ページで差はありますが、厚さはほとんど同様。コアプラスとメモリーチェックはB5版、四科のまとめはA4版となっています。

四谷大塚の「予習シリーズ」は教育界ではめずらしく、昔からA4をスタンダードとしていて、オリジナルノートまでA4で統一されています。四科のまとめに関しては、かつてはB5版でしたが、A4に改定され久しくなっています。携帯性はあまり優れていません。
四科のまとめには、

ある程度まとまった内容について、自分で時間を設定して取りかかります。

と記されているとおり、四科のまとめは、机に向かって落ち着いて学習することが求められているのです。

なお、重さは、コアプラスは426グラム、メモリーチェックは459グラム、四科のまとめは611グラムと、四科のまとめが少し重くなっています。

価格はメモチェが安い

価格はメモリーチェックが900円+消費税でもっとも安く、次いでコアプラスが1429円、四科のまとめが最も高く2000円となっています。

1000円の開きがありますが、そこまで気にするものではないですね。

肝心の内容は? メモリーチェックは易しめ

肝心の内容はどうなっているのでしょうか?

多くの受験生が苦手意識を持つ、明治時代から日露戦争までの期間の3冊の内容を比較してみました。

この範囲で、解答として問われた用語の数は、コアプラスが最も多く73、次いで四科のまとめが67、メモリーチェックが53となっています。
知識の量としては、サピックスのコアプラスが一歩リードします。

中学入試での出題において、人物名は非常に重要ですが、「少年よ、大志をいだけ」という言葉を残したことでも知られる「クラーク」は、コアプラスと四科のまとめでは聞かれますが、メモリーチェックでは聞かれません(左ページの要点のまとめには掲載)。
また、郵便制度を創設した前島密を答えさせているのはコアプラスのみです。

他のテーマについても、メモリーチェックは基本的なものが多く、コアプラスのほうが難解な傾向にあります。ただし、コアプラスはあくまでデイリーサピックスなど、サピックスの教材と併用することを前提としているため、この1冊だけをやればいいというわけではありません。実際、サピックスからは、白地図トレーニング帳や年表トレーニング帳といった別の問題集も出題されています。

コアプラスは、1問1答形式ですので、歴史の並び替え問題など、用語を問う問題以外への対応は、こうした別の参考書を使ったトレーニングが必要になります。

一方、メモリーチェックは、あくまで左の要点のまとめと右側のポイント・チェック問題をセットで活用することが前提になっています。メモリーチェックは要点のまとめに掲載はされているものの、問題としては掲載されていない用語が多く存在します。問題を解くだけで完璧にこなしたことにはなりません

難関校対策には何を使うか

まずは1冊を完璧にする

では、具体的にはどの教材を使用すればよいのでしょうか?

大前提として注意したいのは、手の広げすぎには注意ということです。
特に暗記用教材は、何冊も中途半端に手を付けることよりも「1冊を完璧にする」ことが大切です。
3冊とも、最低限の知識は網羅していますから、塾で指定されている教材があるのなら、まずはそれを完璧にこなすことです。
さきほど述べたように、日能研生でメモリーチェックを使いこなしたい場合は、左側の要点のまとめをチェックペンを活用しながら問題形式に変えて使うなど、工夫が必要になります。また、コアプラスの場合は、問題文の中に、入試で問われるキーワードが含まれている場合もありますので、そうした用語も答えられるようにならなければなりません。

難関校対策に向いているのは?

開成・麻布・武蔵・桜蔭・女子学院・雙葉の男女御三家や、渋谷幕張、駒場東邦、海城、また慶應義塾中等部、筑駒など難関校の対策に向いているのは何でしょうか?

受験において、塾選びが重要なのと同様、教材選びも重要ですが、1つポイントになるのは、「多くの受験生が得点する問題を落とさない」ことです。
入試では、10%の受験生が解ける問題を得点できることよりも、半分以上の受験生が得点できる問題を確実に得点できることのほうがはるかに重要です。
そして、近年の難関校の合格者数において圧倒的に多いのはサピックス生です。
あえて1つの教材を選ぶなら、もっとも合格者が多い塾の教材を選ぶというのは一つの考え方で、その点でコアプラスはおすすめです。

とはいえ、ほかの2冊を使うのを否定しているわけではありません。

四科のまとめも知識量としてはコアプラスと遜色はありません。ただし、「『予習シリーズ』とはちがったまとめ方で、効果的に学力の定着をはかることができます」とあるとおり、さまざまな出題形式で知識を補強するための教材です。また、「できなかった問題は、『予習シリーズ』や『考える社会科地図』などでもう一度見直しをしておきましょう」とあるとおり、新単元を学んだテキストに戻って学習することは非常に大切で、これは四科のまとめでもコアプラス、メモリーチェックでも同様です。サピックス生なら「デイリーサピックス」、日能研生なら「本科テキスト」にもどって、体系的に知識を確認し、補強していくことは非常に大切で、そこを疎かにするのはNGです。あくまで一問一答問題集は知識の補強用問題集だからです。

また、メモリーチェックは、トータルの知識量としてはコアプラスにおとりますが、左ページの要点のまとめを含めた知識量はコアプラスよりやや少ないレベルで、決して難関校対策に使えないということではありません

おそらく多くの方は、塾に通われ、それぞれの塾で指定されたテキストを使用するはずです。
たとえばご友人のサピックス生がコアプラスを使っているところを見て、不安になることがあるかもしれませんが、実際にサピックス生がコアプラスを使って学習している時間はごく一部で、それよりもはるかに多くの時間を、他のオリジナル教材を使って費やしています

「隣の芝生は青い」で、特に6年生になると、どうしても周りが使っているものが気になりますが、その塾を選択した時点で、他の塾の生徒のやり方を気にしすぎるのは得策ではありません

塾で指示されたことが100%こなせていて余裕があるというならよいですが、そうでもない限りは、今使っているテキストを完璧にこなすことを目標にしましょう

使い出すのは6年生の夏以降?

こうしたまとめ用教材をいつから使い出すかですが、この点は、早くから使い始めたほうが良いと申し上げます。

知識は、とにかくいろんな形式でチェックすることが重要です。
また、コアプラス・メモリーチェク・四科のまとめのメリットは、1冊で入試に必要な知識の全体像が見えるということです。
特にサピックスの教材は、薄手のものが毎週配布される方式で、内容は非常に充実しているのですが、全体像は見えにくいデメリットがあります。予習シリーズも、半年に1冊で、たとえば新5年生の最初の段階で、最終的なゴールが見えづらいものです。
その点、これら3冊は、入試までの間に完璧にすべき知識の全体像が見えるので、ゴールがイメージしやすくなります
いわば受験勉強の目次のようなもので、先が見えずに漠然と勉強するより、遥かに効率的な学習が期待できます。
もちろん、基本となるテキストの学習がおろそかになっては本末転倒ですが、小テスト前の知識の確認に併用したり、マンスリーテスト・月例テストの直前に使用するなど、試行錯誤しながら利用することをおすすめします。
「四科のまとめ」は5年生での使用は全く想定されていませんが、四谷大塚の教材の特徴でもありますが資料が豊富で内容は充実していますので、社会だけでも単体で購入し、余力がある範囲で使用するのも一案だと思います。

何を使うかよりどう使うか、ぼろぼろになるまで

個人的には、「一問一答」そして簡単に答えを確認できる形式は、大学受験でも多く採用されているとおり、知識の確認には最適で、その点でも「コアプラス」を最もお勧めします。

とはいえ、重要なのは、これら3冊の何を使うかよりも、どう使うかです。
サピックスで男女御三家に合格するような上位の生徒でも、入試直前の1月にコアプラスを徹底的に見直し、基本的な知識の総仕上げに尽力します。それは、基本的な知識の大切さを理解しているからだと思います。繰り返しになりますが、受験に必要なのは、ほかの受験生が正解する問題を確実に正解する力です。
よくある失敗は、「評判がいいから」とあらゆる参考書や問題集に手を出して、どれも中途半端になることです。コアプラスでもメモリーチェックでも、難関校に合格する生徒は、何十回もページをめくって、ぼろぼろになり、2倍くらい分厚くなるまで使いこなします

教材選びは塾選びと同じ。信頼するものに出会ったら、徹底的に使いこなすことが合格の秘訣です。

なお、コアプラスは通年販売されていますが、改訂が繰り返されています。ただし、改訂版の変更点は、ウェブサイトに掲載されており、主に地理のデータの変更など、世の中の動きの変化を反映させた修正が入っているのみで、内容が大きく変わっているわけではありません。毎年のように購入し直す必要はまったくありません。

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